
はじめに|初めてのゲーミングPC選びで失敗しないために
「最近、PCゲームを始めてみたいけれど、ゲーミングPCってどう選べばいいの?」
「見た目はかっこいいけど、何を基準にすれば良いかわからない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
私は現役エンジニアとして長年PCに関わってきましたが、「ゲーミングPCの選び方が難しい」と感じるのは当然のことです。なぜなら、CPU・GPU・メモリなど、普段聞きなれない言葉が多く、どれも重要そうに見えるからです。
本記事では、初めてゲーミングPCを購入する方でも迷わないように、スペックの見方や選び方を超かみ砕いて解説していきます。途中には日常にたとえた表現も入れていますので、「専門用語アレルギー」の方でも安心して読み進めてくださいね。
ゲーミングPC選び方の基本【現役エンジニアがやさしく解説】
■ ゲーミングPCとは?普通のPCとの違い
ゲーミングPCとは、その名のとおり「ゲームを快適に動かすために作られたパソコン」です。
一般的なノートパソコンでも軽いゲームなら動きますが、最新の3Dゲームやリアルな映像を使ったゲームでは処理が追いつかず、カクカクしたり画面が止まったりしてしまいます。
ゲーミングPCはこのような高負荷な処理にも耐えられるように、映像処理能力や処理速度が強化されたパーツで構成されています。
■「ゲームが快適に動く」ってどういうこと?
ゲームが「快適に動く」とは、主に以下の2点を指します。
- 映像がなめらか(60fps以上)で途切れない
- 操作してすぐ反応が返ってくる(ラグがない)
これらを実現するために必要なのが、PCの性能(=スペック)なのです。では、そのスペックとは具体的にどんな項目を見れば良いのでしょうか?次の章で解説します。
ゲーミングPCのスペック 選び方|重要な5つのポイント
ゲーミングPC選びでは、以下の5つのパーツがとても重要です。順番にやさしく説明していきます。
① CPU:ゲームの頭脳。性能は「料理人の腕前」に例えると…
CPUは「パソコンの頭脳」と呼ばれます。ゲーム中に起こる計算や処理の多くを、このCPUが担当します。
たとえるなら、CPUは料理を作る「料理人」。いくら良い材料(GPUやメモリ)があっても、料理人の腕前が低ければ美味しい料理(ゲーム体験)は作れません。
初心者の方には、「Intel Core i5以上」または「AMD Ryzen 5以上」が安心の目安です。
② GPU(グラフィックボード):映像処理の要。「画家の画材」と考えよう
GPUは、映像を描画するためのパーツです。たとえるなら、GPUは絵を描く画家の「画材」や「筆」。
グラフィックが重たいゲーム(例えば原神やAPEXなど)では、GPUの性能が低いと「動きがガタガタ」「画面がぼやける」などの問題が起こります。
初心者の方には、「NVIDIA GeForce RTX 3060」以上のモデルがおすすめです。中級者以上はRTX 4060や4070も検討すると良いでしょう。
③ メモリ(RAM):作業机の広さ。最低16GBは欲しい理由
メモリは、「一時的な作業スペース」として使われます。
イメージしやすいのは作業机の広さです。広い机なら複数の資料を広げて効率よく作業ができますが、狭い机だと1つずつしか作業できませんよね。
ゲームは大量のデータを扱うため、最低でも16GBのメモリがあると安心です。予算に余裕があれば32GBも◎。
メモリは増設しやすいので物足りないと感じてから増やしてもいいかもしれません。
④ ストレージ:SSDとHDDの違い。起動やロードの速さに直結
ストレージは「データを保存する場所」です。種類は主に2つあります。
- SSD(ソリッドステートドライブ):読み書きが速く、ゲームやWindowsの起動がサクサク
- HDD(ハードディスクドライブ):容量は大きいが、動作はやや遅め
初めてのゲーミングPCでは、SSD(最低512GB)を搭載したモデルがおすすめです。HDDはサブ的な保存先と考えると良いでしょう。ちなみに予算があるならM.2 SSDのほうがおすすめです。
SSDには種類があるので、以下を参考にしてみてください。
種類 | 例えると… | 読み込み速度の目安(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|
HDD | 自転車 | 約100〜150MB/秒 | 安価だが遅く、音もうるさい |
SSD | 自動車 | 約500MB/秒(SATA接続) | 起動が速く、静音性も良い |
M.2 SSD(NVMe) | 新幹線・ジェット機 | 約3,000〜7,000MB/秒 | 超高速で、重いゲームも快適 |
🔰体感としては、HDDは電源ONから数十秒〜1分かかるのに対し、M.2 SSDだと数秒で起動します。ゲームのロード時間も1/5以下になることも。
■ ゲーミングPCでは「M.2 SSD」が主流
最近のゲーミングPCでは、M.2 SSD(NVMe接続)が標準になりつつあります。
- ゲームの起動や読み込みが圧倒的に速くなる
- ファンも静かになり、発熱も抑えられる
- パソコン全体の動作がキビキビする
➡️ とにかく速さ重視なら、迷わずM.2 SSDを選びましょう。
■ HDDはどう使う?
HDDは容量が大きく安価なため、動画や写真、ゲーム録画の保存用として使うのが一般的です。
例えば:
- M.2 SSD:ゲームやOS用(起動・読み込みが速くなる)
- HDD:録画・アーカイブ・大容量の保管用
⑤ 冷却と電源:見落としがちだけど重要。安定稼働のカギ
ゲーム中はパーツに負荷がかかり、熱を持ちます。そのため、冷却性能(ファンの性能やエアフロー)がとても大事です。
また、安定して電力を供給するためには品質の良い電源ユニット(80PLUS認証など)も欠かせません。
熱暴走がひどいと急に重くなったり、カクついたり最悪の場合強制終了することも
「ちょっと地味だけど、パソコンを長く安定して使うためにはとても大切」と覚えておきましょう。
用途別のおすすめスペック早見表(ライト〜ヘビーゲーマー向け)
ゲーミングPCは、どんなゲームをどのくらいの画質で楽しみたいかによって、必要なスペックが変わってきます。
ここでは、「どのレベルのゲーマーか」に応じた目安をご紹介します。
■ ライトユーザー(マイクラ、LoL、2Dゲームなど)
特徴:軽いゲーム中心・初めてのゲーミングPCにぴったり
- CPU:Intel Core i5 / Ryzen 5
- GPU:GeForce GTX 1650~1660
- メモリ:8〜16GB
- ストレージ:SSD 512GB
- モニター:フルHD(60Hz)
➡️ 軽めのゲームや動画視聴、普段使いもこなせる万能タイプです。
■ ミドルユーザー(APEX、Fortnite、原神など)
特徴:3Dゲームを高画質で快適に楽しみたい人向け
- CPU:Intel Core i5 / Ryzen 5(第12世代以降)
- GPU:GeForce RTX 3060 / 4060
- メモリ:16GB(できれば32GB)
- ストレージ:M.2SSD 1TB
- モニター:フルHD 144Hz以上推奨
➡️ 多くの人がこのゾーン。コスパ重視の中級機として人気です。
■ ヘビーユーザー(4Kゲーミング・配信・動画編集など)
特徴:映像美やマルチタスクも妥協したくない方向け
- CPU:Intel Core i7 / Ryzen 7以上
- GPU:GeForce RTX 4070~4080
- メモリ:32GB以上
- ストレージ:M.2SSD 1TB以上+HDD(2TB〜)
- モニター:WQHD〜4K、144Hz以上
➡️ ゲーム実況・配信・編集をしたい方におすすめ。高性能モデルになります。
ノート?デスクトップ?ゲーミングPCの選び方比較
ゲーミングPCには大きく分けて「ノートPC」と「デスクトップPC」があります。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
■ ノートPCのメリット・デメリット
メリット
- 持ち運べる
- モニターやキーボードが一体型で手軽
- 場所を取らない
デメリット
- デスクトップPCと同じ価格でも性能は低め
- 拡張性が低く、後からのアップグレードが難しい
- 冷却性能が限られている
■ デスクトップPCのメリット・デメリット
メリット
- ノートPCと同価格帯なら高性能
- パーツ交換や拡張がしやすい
- 冷却性能が高く、長時間のプレイにも強い
デメリット
- 本体が大きく、場所を取る
- モニターや周辺機器を別途揃える必要がある
■ 初心者におすすめなのはどっち?
🔰初めてゲーミングPCを買う方には「デスクトップPC」がおすすめです。
理由はシンプルで、価格に対する性能が高く、将来のアップグレードにも柔軟に対応できるからです。
ただし、場所が限られていたり、外でも使いたい場合はノート型でも十分楽しめます。
ただしめちゃくちゃ重く価格の割のスペックですので、「出張が多く外で使うことが多い」とかでもない限りおすすめはしないです。
初心者がやりがちなゲーミングPC選びの失敗例
ゲーミングPCは高価な買い物。よくある失敗例も事前に知っておくと安心です。
■ 失敗例①:スペックのバランスが悪い
CPUはハイスペックでも、GPUが低性能…というケース。全体のバランスが悪いと、性能を引き出せません。
➡️ スペックは「頭脳(CPU)」と「画材(GPU)」をバランス良く。
■ 失敗例②:見た目だけで選んでしまう
派手なライティングやデザインに惹かれて購入 → 実は中身がイマイチだったという例も。
➡️ 性能>見た目を意識しましょう。外観はカスタムでも後から変えられます。
■ 失敗例③:必要以上に高額なモデルを買ってしまう
「不安だから一番良いのを」と買ったものの、使い切れない…というのもあるあるです。
➡️ 使用目的に合ったスペックを選ぶのが、もっとも賢い買い方です。
グラボも大体2年おきに新製品が出ますし、合わせてゲームの要求スペックも上がるのでどこかで買い換えの必要は出てきます。
現役エンジニアが教えるおすすめの買い方・チェックポイント
■ BTO(受注生産)パソコンとは?初心者におすすめの理由
BTOとは「Build To Order(受注生産)」の略で、用途に応じてパーツを自由にカスタマイズできるPCです。
初心者には「BTOメーカーのおすすめ構成から選ぶ」スタイルが一番安心です。信頼できるメーカー(例:ドスパラ、パソコン工房、マウスコンピューターなど)であれば、バランスの取れたモデルを揃えています。
自作経験もありますが、商品を選ぶのにも時間かかりますし結局BTOのほうが割安に作れたりします。なので筆者も2回BTOを利用しています。
■ ゲーミングPC購入時のチェックリスト
- ✅ プレイしたいゲームの推奨スペックを確認
- ✅ CPU・GPU・メモリのバランス
- ✅ SSDは512GB以上あるか
- ✅ モニターやキーボードも必要かどうか
- ✅ 保証やサポート体制の確認
まとめ|初めてでも安心!自分に合ったゲーミングPCの選び方
ゲーミングPCは、スペックやパーツ名を見ただけでは難しく感じるかもしれませんが、「自分がどんなゲームをどんな環境で遊びたいか」を考えることで、最適な選び方が見えてきます。
🎯 今日のまとめポイント
- ゲーミングPCの核は「CPU・GPU・メモリ」
- 用途に合わせたスペックを選ぼう(軽いゲーム or 高負荷なゲーム)
- ノートよりもコスパ重視ならデスクトップがおすすめ
- 初心者はBTOパソコンから選ぶと安心
💡 迷ったときは…
「やりたいゲームの推奨スペック」+「予算」+「今後やりたいこと(配信や編集)」を整理すると、自分に合ったPCが見えてきます。
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